合気道ってどんな武道?

「合気道とはどのような武道だと思いますか?」と尋ねると、「相手の力を利用して投げ飛ばす武道」とか「力を使わず相手を投げる武道」という意見が多いと思います。

しかし合気道は「相手を投げる」という事を目的とはしていないのです。

合気道で学ぶことは、「心と身体の使い方を学び、日常生活をより良いものにしていくための方法」と言えます。

その過程で、心と身体を上手に使う為の稽古として合気道が存在し、その両方(心と身体)を上手に使う事が出来るようになれば、相手を楽々と投げるということを合気道の技を通して自然とできるようになるのです。

このように、合気道には技の優劣を競いあい、勝ち負けを決めるという概念が基本的にはありません。

それ故、試合というものが存在しないのです。


心を上手に使えたらどんな利点があるの?

私たち人間は、環境からいろんな影響を受けています。
楽しく感じる事ばかりならよいのですが、残念ながら辛く悲しいと感じる事も多くあります。

しかし、ひとつの出来事に対してすべての人が同じ感情になるかというとそうではありません。

例えば誰かに叱られた時、ただその相手に対して憎しみの感情をもつ人がいれば、逆に叱られた事で自分自身の成長につながったと感謝できる人もいます。

この二つの差はなんなのでしょうか。

答えは自分の心の使い方にあるのです。

つまり、心の使い方ひとつで、あなたがいる環境が楽しかったり辛かったりと、さまざまに変化するのです。

自分の心の使い方ひとつで、日々の暮らしを楽しく変化させることが出来るのです。


身体を上手に使えたらどんな利点があるの?

心の使い方が分かってくると自然に身体の使い方も変化してきます。

何故なら心が身体を動かしているからです。

緊張している時はその緊張が身体に表れ動きが硬くますし、逆にリラックスしている時はリズム良くなめらかな動きができます。

イライラしている時は動きも荒くなりますが、穏やかな気持ちの時は、表情やふるまい方も優しく穏やかになります。

このように、心の使い方が分かれば身体の使い方も変わってくるのです。

また合気道は合理的な身体の使い方をしますので、身体にかかる無駄な負担を徹底的に取り除いていきます。

なので、合気道の身体の使い方を介護やスポーツなどの他の分野にも幅広く利用することができるのです。


どうすれば自分の心を思い通りに使えるようになるの?

人は心と身体を持っていますが、この二つをバランスよく使っている人は少ないかもしれません。

多くの人は心と身体を一致させて使っていないのです。

楽しいと感じることをしている時はよいのですが、少しでも心のどこかに反発心を持っていると、心と身体が違う方向を向いた状態になってしまいます。

そんな状態で自分の力を十分に発揮することができるでしょうか。

もちろんできるはずがありません。

私たちは目に見える現象や物質だけにとらわれ過ぎて、心の存在を忘れがちになっています。

その結果、心の力が発揮できず、本来なら問題なく出来る事でも上手くいかないということが多くなるのです。

人は本来リラックスしている時は自然と、心と身体をバランスよく使っています。

しかし予期せぬ出来事や緊張する場面では、その状況だけにとらわれて、心を自由に使うことが難しくなります。

なので合気道ではまず、動きの中で自分自身がどれだけリラックス出来ているかをチェックし、無意識に力んでいた部分の力を意識して抜くように心がけ、いかなる場合でもリラックスした状態をつくることに意識を向けることから稽古していくのです。

それを繰り返すことで力みが取れて、今までなら目の前の出来事にとらわれて動けなかった心の可動範囲が、どんどん広くなっていくのです。


なぜ相手を軽々と投げ飛ばすようなことが出来るの?

なぜ軽々と相手を投げることが出来るかという事ですが、答えを単刀直入に言うと、私が相手を投げているのではなく、相手が自分からその方向に動いてくれるので、力も使わず楽々と相手を投げることが出来るのです。

「そんなのヤラセじゃないか!」と声が聞こえて来そうですが、そうではありません。

投げる自分も人間なら、投げられる相手も人間です。

つまりお互い心を持っているのです。

相手に反発して無理やり力ずくで投げようとすれば、相手も投げられまいとしてより反発します。

いわゆる肉体的な力比べの状態です。

そんな状態では、子供であろうとも楽には投げることはできません。

ではどうすればよいのかと言うと、相手の心に反発せずに相手の進みたい方向に導いてあげるのです。

つまり相手の心に反発や抵抗といった感情を持たせないことで、自ら投げられてくれるのです。

簡単に言うと、「導き投げる」といった表現が近いかもしれません。

導き投げるにはまず、自らがリラックスした状態でなければなりません。

そうでなければ、相手の進みたい方向も分かりませんし、相手に反発や抵抗を感じさせてしまうことになります。

なので、力を抜いてリラックスすることが重要になってくるのです。


合気道とは…

例えば、子供たちが遊んでいたボールが勢いよく自分の後方から飛んできます。「危ない!」の一言で振り返るとボールは目の前でます。その時の自分の状態を想像して下さい。

ある人は、その場で立ったまま目を強く瞑り肩をすくめ、心と身体を硬直させます。またある人は、「キャー!」叫びながら頭を抱えてその場にしゃがみ込みます。

このように、心はボールだけに捕らわれ、他の状況は見えなくなり、身体の柔軟ささえも奪ってしまうのです。

これがボールではなく、マンションの上から落ちてきた植木鉢だったら、もし自動車だったら、と考えると恐ろしいものがあります。

一瞬の動きや判断の遅れが、大きな惨事につながる事もあるのです。

そんな時にこそ、柔軟に動く心と身体が必要だと言えるのです。

合気道は、「天地との調和」を修行の目的としています。

向かい合っている相手に合わすのではなく、天地(自然の法則)に自分自身を合わす事で、どのような時でもリラックスして、心と身体を使えるのです。

その結果、力を使わずとも相手を導き投げるという事が可能になります。

相手が襲い掛かってくるという状況にあっても、落ち着き、柔軟な心と身体で、無駄なく無理なく動ける自然体の自分をつくり、またそれが出来ているかをチェックする為の道具、それが合気道なのです。


合気道を他の分野に活かす

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